プロダクトのゴールをグローバルチーム全体へ浸透させることで、納期短縮、強固なチームワークへ
サービス概要
顧客情報 | Eコマーステクノロジー企業 |
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製品 | ECショップ制作ツール |
システム種類 | EC |
業界 | IT |
提供サービス | グローバルを活用したチーム構築コミュニケーション改革 |
利用技術 | JavaScriptPHPCakePHP |
お客様プロダクト | プラットフォーム型ECサイトへの共通商品情報更新ツール |
プロジェクトテーマ | 既存プロダクトにおける重要新機能の開発 |
該当する困り事
- [コミュニケーション改革]オフショアメンバーに依頼したことが守られなくて困っている
- [グローバルを活用したチーム構築]品質や開発スピードは妥協したくない!でも国内リソースは高額・・・
- [ユーザの体験価値向上]新規DX事業アイデアはあるが、実現までの道筋が見えない
プロジェクトの課題
新機能のゴールがエンジニアへ伝わっていない
お客様のエンジニアメンバーと、グローバルチームのエンジニアが直接やりとりする形であったものの、明確な要件定義書がない中で、依頼と検証のキャッチボールを進めていたが、新機能のゴールが定まっていないため、機能がいつ出来上がるか、どこまで出来上がっているかという状況が見えなくなっていました。
また、グローバルエンジニアも、タスクレベルでの技術検証や、部分的な仕様開発という形で、機能全体像を把握しないままでの開発であったため、全体最適視点のない、局所的な開発に陥っていました。
当社が提供したグローバル開発コンサル領域
- 全体開発プロセスのデザイン
- チーム全体での役割分担の設計
- プロダクトのフローの整理
プロダクトオーナーの“作りたい像”を明らかにする
まずは、当社が着手したのは、プロダクトオーナーの実現したい機能のゴールを明らかにすることでした。これまでは、プロダクトオーナーが、社内エンジニアに口頭で仕様のイメージを伝え、それを、社内エンジニアが仕様に落とし込んで、タスクに分解して、グローバルエンジニアに渡す、という形でした。グローバルエンジニアにとっては、エンジニア経由での仕様伝達で、タスク自体は理解できていましたが、それが何のためのタスクなのか、最終的にどんな機能になるのかを掴めていないままだったのです。
機能全体像をフローに、課題チケットに紐づけ
当社コンサルタントは、プロダクトオーナーに、実現したい機能の全体像を一旦全て書き込んでほしい、と依頼しました。プロダクトオーナーから受領した機能全体像と、社内エンジニアの方のこれまでの仕様をベースに、新機能の全体像を、フローに落とし込みました。そして、そのフローの中に、既に終わっている範囲、仕様が不明確な点を明確にし、また、既存の課題チケット番号と、フローとの紐づけを行うことで、各課題チケットが全体機能の中でどこに位置づけられるのか、一目で分かるようにしました。
このプロダクトフローをプロダクトオーナー・社内エンジニアに共有し、認識に相違がないかを擦り合わせるとともに、グローバルエンジニアに対しても、全体の機能増をフローをベースに説明し、
今、全体機能のどの箇所を開発しているのか
機能完成までに何が残っているのか
各機能と機能との繋がりはどうなっているのか
といった情報を認識してもらいました。
仕様の正確な把握が正確な納期見積に
そして、元々の遅延の最大の理由は、グローバルエンジニアによる納期見積の甘さがありました。この見積の甘さは、エンジニアが正確に仕様を理解していないこと、機能と機能との繋がり・依存関係を把握できていなかったことにありました。仕様フロー化によって、これらの認識をしっかりとグローバルエンジニアに落とし込むことで、エンジニアの見積は、見積のスピード、正確性ともに向上しました。これによって、各機能の工数だけでなく、全体仕様の感性納期の見込も正確に立てることができるようになったのです。
全員レビュー会を通じたアジャイルな機能向上アプローチ
次に、着手したのは開発プロセス全体のリデザインです。まず最初に下記の図より、改善前後の開発プロセスの違いを見てみて下さい。
従来のプロセスでは、プロダクトオーナーは、最初の仕様口頭伝達以外は、開発プロセスに明確な役割を持った参加はできていませんでした。そのため、グローバルエンジニアによって、開発された成果物についても、全体仕様のどの部分の機能なのか、どこをチェックすれば良いのかの明確な評価ができていない状況でした。
改善後のプロセスでは、仕様フロー化の後、チーム全員参加での仕様レビュー会を持つことで、プロダクトオーナー含めチーム全員で仕様をコミットし、また、開発して、出来上がった際には、同じく、全員参加でのデモレビュー会を行い、グローバルエンジニアによるデモ会の場で直接、仕様とのギャップや、改善項目を指摘してもらいます。ここで新たに出た課題を次の仕様フローに反映させていくことで、プロダクト作りの流れを可視化するとともに、アジャイルに機能を強化していくことに繋がりました。
最終的なお客様への価値
- 目標とした機能を目標時期に実現したこと
- プロダクトオーナーからエンジニアまで共通目標を持ったグローバルチームが出来上がった
強固なグローバル1チームへ
本ソリューションにおける最大の成果は、プロダクトオーナーがどうしても実現したかった新機能を期待した時期までに完成させることができたことです。そして、何より、プロダクトオーナーによるビジョンの提示、出来上がりに対するこだわりが、プロジェクトの中に深く浸透するとともに、それらが、一部の社内エンジニアだけでなく、グローバルエンジニア含む全体に共有され、強固なプロダクト開発チームが形成されたことです。