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当社のこれまでの開発ストーリー
当社運営サイトのStylist Directoryは、元々、代表が個人でCMS*を使って立ち上げました。
※CMS:プログラミングをすることなく、簡単にWEBサイトを構築できる仕組みでWordpressなどが有名
その後、技術に長けたメンバーに開発リードとしてジョインしてもらい、その方の貢献により、今のサイトのおおよその原型が出来上がりました。
彼以外にプログラミングができる人間はいなかったため、技術に関することは全てお任せしていました。
その後サイトの成長に伴い法人化し、順調にサイトを強化・改善している頃、その開発リードが事情により会社を離れることになりました。
当然、代わりとなる人材を急ぎ探しましたが、いかんせん事業規模も小さく、資金も限られており、彼が会社を離れるまでに、新しいメンバーを見つけることは叶いませんでした。
開発責任者不在をどう乗り切ってきたか。
もはや、サイトの存続は不可能かと、何度か撤退が頭をよぎりました。しかし、サイトは成長軌道にあるのであまりに悔しい。そんな当社が選択したのは、
代表自らが技術を覚える
という方法です。技術責任者が退職するまでの3か月の間に、何とかしてサイトを存続するための最低限の技術の教えを請いました。
開発リードだった方が安定したシステムを残してくれたこともあり、なんとかサイトは存亡の危機を乗り越え、継続することが出来ました。
しかしながら、新たなメンバーが入った後も、代表が技術面全般を管理する立場は依然として変わらずに続きました。
もちろん、技術統括ポジションの採用活動も継続していましたが、小規模ベンチャーの最大限のオファーは決して大手には適いません。夢や理念だけで人が付いてきてくれるほど、現実は甘くありませんでした。
この時の最大の課題は、社内の人手がどうしても技術面に時間を取られてしまい、経営やサービス企画、営業などに時間を割くことが出来なかったことです。
事業の成長戦略を考え、新サービスをどう潜在顧客に売っていくのか、といった事業のコアな仕事に時間を割けないという大きな課題を当時抱えていました。
つらい思い出の外注経験。
ある時、外注のアイデアを思い浮かびました。
インターネット上で開発の仕事をマッチングするサイトで、ある開発テーマで募集することにしてみました。
こちらが想定する予算での応募がいくつかあり、その中から実績やこちらの要件への理解度から、あるフリーランスの方に依頼することとなりました。
結論から言うとかなり苦しいプロジェクトとなりました。たった一人のエンジニアに依頼しているため、開発の進捗はその方の個人的事情やスケジュールにどうしても左右されます。
一番つらかったのは開発が途中まで進んだ段階で、開発の難しさから開発中止を示唆されたことでした。
この時、このような発注の仕方はあまりにリスクが高いことに気づきました。
ベトナムオフショア開発との出会い
そんな折に、古くからの友人が教育の仕事でベトナムに移住したことをきっかけに、彼のもとを訪れることがありました。
その際に開発体制のことで悩んでいることを話すと、ある人物を紹介してくれました。そして当社サイトの全領域をベトナムにアウトソーシングすることとなりました。
そこでオファーされた条件は、定額制でのサイトの稼働保証と一定時間の開発サポートです。まさにそれこそが自分が求めていたもの、つまりは社内の開発責任者と同じ役割を担ってもらうことだったからです。
もちろん、言語や遠隔でのコミュニケーションへの不安や、社内の技術体制を外出しすることによる技術競争力の低下の懸念はありました。
しかしよく考えてみればそれは、そういったことを担う社内人材がいて初めて目指せるものです。当時の当社のような状況では単なる理想にしかすぎません。(アウトソーシング開始後はむしろ技術的な知識を強化することに繋がりました。)
オフショア開発が当社にもたらしたもの
現在、当社では社内には企画人材だけがおり、開発に関することは全て、ベトナム現地のプロジェクトマネージャーと数人の開発者が担当しております。
そして、下記のようなことを実現しました。
- システムのバグなどへの不安や深夜対応など技術面でのストレスから解放されました。
- 技術スタッフ採用の苦労から解放されました。
- 社長が技術部分での工数から解放されて、戦略や新規事業創出など経営の最重要テーマに割く時間が大幅に増えました。
- ベトナム開発チームの世界標準の開発プロセスを採用することで社内の開発環境が劇的に向上しました。
- 最新の技術情報やシステム上の課題など技術面での相談アドバイスしてもらえるようになりました。
- プロジェクトメンバーの半分が外国人に、言語は日本語・英語が半々に。英語堪能なスタッフ(TOEIC900+)が増え、一気にグローバルな会社になりました。
もちろんデメリットというよりは課題もありますが、それらはこの体制を否定するようなものではありません。あくまで今後プロジェクトをさらにレベルアップしていく上ためのチャレンジという位置付けです。
と、ここまで当社の現在までの開発体制の経緯を駆け足で書いてきました。
IT関連のベンチャー・スタートアップにおいて、当社に似た課題や困難を抱えている会社は数多くいるのではないかと思い、このブログを通じて、何らかの発見になればと思っています。
これから、オフショア開発の導入前後において、当社が実際に体験したことを書いていきたいと思います。何か共感や興味を持ったことがあれば、お気軽にご連絡頂ければと思います。
日本のベンチャーをそして、アジア全体の産業を一緒に盛り上げていきましょう!