ノウハウ記事

オフショア開発コンサル事例~コミュニケーションの「見える化」が「意思疎通」成功の鍵

 

2023年2月4日

こちらの記事では、当社が支援するEC情報メディアのオフショア開発を通じた、オフショア開発における「コミュニケーションの見える化」事例を紹介します。本プロジェクトでは、運用中であるWEBメディアにおけるレイアウト改修、新機能開発、セキュリティー対策強化などの対応を、オフショアのベトナム開発チームが行っております。こちらのプロジェクトでは、当初、日本チームとオフショア開発チームとの間でコミュニケーション上の課題が生まれており、当社グローバルディレクターが参画し、コミュニケーションの最適化を図りました。

*¹グローバルディレクター・・・オフショア開発におけるグローバルコミュニケーション、デジタルツールを活用したフルリモートマネジメントのスペシャリストで、コミュニケーション最適化支援を行うディレクトリジャパン独自のポジション。オフショアチームとの意思疎通のギャップを極力減らすとともに、オフショア開発チーム側によっても最も伝わりやすいコミュニケーションフローやドキュメンテーションを設計することで、エンジニアの生産性を最大化するとともに、顧客担当者側の説明負荷を減らす。

開発体制:PHPエンジニア+ブリッジSE兼AWSエンジニア

目次

1.お客様の課題

2.改善テーマ1. 「開発運用の可視化」

3.改善テーマ2. 「エンジニアとの直接的なコミュニケーション」

4.まとめ


1.お客様が感じたオフショア開発課題

・オフショア開発チームの仕事状況やその内容がわかりにくい(ブラックボックス化している)為、進捗状況や作業生産性について不安があった。

・オフショア開発チームへ伝えたことが正確に伝わっていない、また、対応が漏れるケースがあり、仕様の繰り返しの伝達や、修正指示などの説明コミュニケーションに、お客様担当者の負荷が高かった。

弊社支援:

当社グローバルディレクターによって、お客様の課題解決の為にお客様側リーダー、及びベトナム開発チームへのヒアリングし、また過去の課題管理ツール上のチケットやチャット内容を分析した上で、課題の原因を抽出し、具体的な改善施策を立案し、導入をリードしました。


2.改善テーマ1. 「開発運用の可視化」

 

施策①コミュニケーションツールを変更

仕様や開発方針について、当初、担当者間のチャットのみで行っていたが、エンジニア全員の進捗状況を可視化するために、全てのメッセージやり取りがチーム全体で見ることができるクラウドタスク管理ツールを導入。

成果:全てのやり取りをこのクラウド上に移行することで「ベトナムチーム内部での仕様理解や伝達方法はどのように行っているのか」といった情報のログが取れるようになり、開発内容に、認識ずれが合った際に、どこでずれたのか、といった検証が容易になった。また、複雑な仕様の際には、開発側がスムーズに認識合わせができているか、なども把握が可能となった。

 

施策②オフショア開発チームによる成果レポートを記載

各エンジニアのリアルタイムの進捗状況を把握するために、終業時に「1日の成果」「QA」「明日のタスク計画」をエンジニア一人一人に記載してもらうようにルール化。

成果:ベトナムチームのタスクの進捗具合(タスクボリューム・開発スピード感等)やベトナムチームが抱えている問題が分かる為、事前にタスクの準備が出来たり、指示を出したりとタスクが管理しやすくなり、また開発の停滞が減る等を防ぐことができた。


3.改善テーマ2. 「エンジニアとの直接的なコミュニケーション」

 

施策①AI翻訳ツールを活用し、積極的にコメントを記載

ブリッジSEを介さなくともお客様とテキストベースでのコミュニケーションを取れるようにする為、エンジニアにもAI翻訳ツールを活用してもらい、 直接お客様へ報告や質問等を実施。

成果:エンジニアとお客様が直接やり取りすることでブリッジSEの翻訳待ちが解消され、時間を有効的に使え開発スピードをアップさせることができた。

 

施策②仕様に関するミーティング内容のメモ取り・ダブルチェックの徹底

ブリッジSEとお客様間でのミーティングにおいて口頭での重要なポイントや指摘・変更等があった場合、ベトナムチームの理解度を知る為、ブリッジSEがメモを取りお客様がその内容を更にチェックする。

成果:ベトナムチームの理解度も図れるので認識齟齬が生じた際には、早急に対応することができトラブル発生を未然に防ぐことができる。結果的にお客様側からの修正指示を減少させ、無駄な工数を削減ができた。


4.まとめ

このように、一つ一つのコミュニケーション上の問題を分析し、改善施策を立案し、導入、そして、施策の経過をモニタリング・評価していくことで、本プロジェクトにおけるコミュニケーションの伝達精度が向上し、それによって、「コミュニケーションストレスの解消」「作業手戻りの回避」に繋がりました。結果として、効率的にオペレーションが回る仕組みを作ることで成果全体のパフォーマンス向上へと貢献できました。

結果的にお客様からの満足度も上がり、ベトナムチームにとっても明快、かつ、ルールによって、工数を最小限に抑えた形での「コミュニケーション見える化」を実現しました。当社では、オフショア開発における全ての問題解決は「見える化」から始まる、と考えております。

また、「良いオフショア開発プロジェクト」に置いて100%当てはまるコミュニケーションの特徴は、「風通しが良い」ことでもあります。オフショア開発などグローバルプロジェクトにおけるコミュニケーション最適化のスペシャリスト集団であるディレクトリジャパンコミュニケーション改革については、こちらご覧下さい。

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